中古車を見るとき、整備士が最初に見る3か所|修復歴は「カードサイズ」で決まります【2026年9月】

この記事の要点
- 最初に見るのはタイヤ4本・継ぎ目とボルト・点検整備記録簿の3つ。どれもその車の「扱われ方」を見ています
- 修復歴は骨格7部位の損傷で決まり、境目はカードサイズ(8.5cm×5.4cm)。2019年4月にこの基準へ変わりました
- ネジ止めの部品は骨格ではありません。バンパー交換だけでは修復歴にならないので、「修復歴なし」でも直した跡はありえます
結論:走行距離と値段より先に、この3つを見ます
値段や走行距離は紙に書いてあります。書いていないのは、その車がどう扱われてきたかです。
現場で最初に見るのは、この3つです。
| 見る場所 | そこから分かること |
|---|---|
| ① タイヤ4本 | 前の持ち主が、どう扱ってきたか |
| ② 継ぎ目とボルト | 直したところがあるかどうか |
| ③ 点検整備記録簿 | この車が、何をしてもらってきたか |
走行距離が少ないほうが、いい車じゃないんですか?
それも大事なんですけど、同じ5万kmでも中身がぜんぜん違うんです。だから「どう乗られたか」のほうを先に見ます。
① タイヤ4本を見る
タイヤは、いちばん正直に出ます。見るのは溝の深さだけではありません。
- 4本が同じ銘柄か(バラバラなら、その都度いちばん安いものを入れてきた可能性)
- 製造年(側面の4桁の数字。前2桁が週、後ろ2桁が年)
- 減り方(内側だけ減っている、片側だけ減っている)
内側だけ減っているタイヤは、足回りの状態を教えてくれることがあります。タイヤ自体より、そちらのほうが気になります。
タイヤの見かたは安いタイヤは危ない?にまとめました。
しゃがんで4本ぜんぶ見るだけなので、いちばん取りかかりやすいところです。ただし「4本バラバラなら必ず問題がある」という意味ではありません。話を聞くきっかけになる、ということです。現場で見てきた範囲の話で、統計ではありません。
② 「骨格」を知っておくと、修復歴の話が分かります
何をもって「あり」になるのかは、はっきり決まっています。骨格7部位と、カードサイズです。
下記の骨格部位に損傷があるもの又は修復されているものは修復歴とする。
但し、小さな損傷は修復歴としない。また、骨格は溶接接合されている部位(部分)のみとし、ネジ止め部位(部分)は骨格としない。
骨格部位は、この7つと決められています。
| 骨格部位 | |
|---|---|
| 1 | クロスメンバー(フロント・リヤ) |
| 2 | サイドメンバー(フロント・リヤ) |
| 3 | インサイドパネル(フロント)・ダッシュパネル |
| 4 | ピラー(フロント・センター・リヤ) |
| 5 | ルーフ |
| 6 | センターフロアパネル・フロアサイドメンバー |
| 7 | リヤフロア(トランクフロア) |
この基準は、自動車公正取引協議会・日本自動車査定協会・日本オートオークション協議会の3団体で同じものとされています。
境目は「カードサイズ」です
クレジットカードより小さければ、修復歴になりません。
小さな損傷の大きさはカードサイズ(8.5cm×5.4cm)未満とする。
時期の条件この基準は2019年4月1日に変わりました。それ以前は「500円玉程度」で、判定の境目が広がっています。古い車の表示を見るときは、いつの基準かに注意してください。
ネジ止めの部品は、骨格ではありません
ここは誤解されやすいところです。
バンパーやフェンダーを交換していても、それだけでは修復歴になりません。 ネジで留まっている部品だからです。
逆に言うと、「修復歴なし」でも直した跡があることはあります。だから継ぎ目とボルトを見ます。
見るのは、そろっているかどうかです。
- ボンネットやドアの隙間が、左右で同じ幅か
- ボルトの頭に、工具で回した跡がないか
- 継ぎ目のシーラー(つなぎ目の充填材)が、他と違う形をしていないか
継ぎ目とボルトの見かたは、こちらの見立てです。気になったら、そこを聞いてください。答えられる店であれば、たいてい説明してくれます。
直してあったら買わないほうがいい、とも限りません。どこを、どのくらい直したか次第です。査定の基準でも、フレームやフロアは重く見て、ルーフやピラーはその次、という段階があります。
③ 点検整備記録簿を見る
書類のほうが、車体より正直なことがあります。走行距離の裏づけにも使われています。
点検整備記録簿は、法定の点検を受けたときに残る記録です。24か月点検が法令で義務とされていることは、車検の見積もりの記事にまとめました。
自動車公正取引協議会の監修基準でも、走行距離の確認方法にこう書かれています。
自動車検査証、点検整備記録簿等の帳票類、走行メーター管理システム等による確認並びに車両状態のチェック等を実施した上で
見るのは3つです。
- 記録簿があるか(無い車もあります。それだけで悪い車ではありませんが、経歴が読めません)
- 何年分そろっているか(抜けている年があるか)
- 何を交換してきたか(消耗品を替えてきた車かどうか)
記録簿がそろっている車は、それだけで手がかりが多いです。
「評価書があるから完璧」ではありません
修復歴は見落とさない前提ですが、内装外装のキズやヘコミは「8割見つけられれば合格」です。
大手の販売店には、車両状態評価書が付いていることがあります。これは参考になります。
ただし、監修基準には、評価する人の検定合格基準がこう書かれています。
修復歴や内装及び外装の状態等、様々な状態の車両について、研修を含めて10台以上を検査し、修復歴の見落としがなく、かつ、内装及び外装の瑕疵発見正解率が80%以上となっているものをいう
外装のうち、下回り(目視で確認できる範囲)についてもチェックの対象となっていること
これは基準が甘いという話ではありません。キズやヘコミを全部拾うのは、専門の検定でもそこまで求めていないということです。だから、自分の目で見る意味があります。
下回りも、見える範囲は対象です。しゃがんで覗いてみてください。
車種の条件ここで見ているのは国産乗用車の査定基準です。輸入車の基準は確かめていません。
今日できること
しゃがんでタイヤ4本を見るところからです。道具は要りません。
① しゃがんで、タイヤ4本を見る
銘柄・製造年・減り方。しゃがむだけです。
② ボンネットとドアの隙間を、左右で見比べる
そろっているかどうかを見ます。数字で測る必要はありません。
③ 「点検整備記録簿はありますか」と聞く
無くても買ってはいけないわけではありません。あれば経歴が読めます。
④ 修復歴の「なし」を過信しない
ネジ止めの部品は骨格ではありません。カードサイズ未満の損傷も対象外です。
⑤ 気になったところは、その場で聞く
答えられる店かどうかも含めて、判断材料になります。
⑥ 支払総額を確かめる
車体だけ見て決めないでください。中古車の「支払総額」に入っていない費用にまとめました。
見に行く車を探すところから、手を借りる方法もあります。 紹介された車も、この記事の3か所で確かめてください。
中古車を探してもらう方法
ガリバーで車を探してもらう
希望の車種や予算を伝えると、ガリバーの担当者が在庫から条件に合う車を探して、紹介してくれます。
- 希望の車種や予算を入れて申し込む
- ガリバーから電話で条件を聞かれる
- 在庫から合う車を探して、紹介してもらう
申し込むとガリバーから電話がかかってきます。申し込みには名前・電話番号・都道府県の入力が要ります。入力した情報は、ガリバーの買取や販売の案内(電話・メールなど)にも使われます。探してもらうのは無料です(2026年9月28日に申込み画面で確認)。
この記事の情報について
公開情報から引いた部分
- 修復歴の定義、骨格7部位、「ネジ止め部位は骨格としない」、カードサイズ(8.5cm×5.4cm):日本自動車査定協会「中古自動車査定基準(国産乗用車)」の修復歴の判断基準
- 判断基準が3団体で同一であること、2019年4月1日に「500円玉程度」から「カードサイズ未満」へ変わったこと:自動車公正取引協議会「日査協の修復歴判断基準が一部変更となります」
- 走行距離の確認方法、下回りが評価の対象であること、評価者の検定合格基準:自動車公正取引協議会「中古車の車両状態表示(評価)に関する監修基準」
整備士としての見立て(記事の中では「整備の現場から」と付けてあります)
- 最初に見る3か所、タイヤの銘柄や減り方から読み取れること、継ぎ目とボルトの見かた、記録簿で見る3点。現場で見てきた範囲の話で、統計ではありません。 4本バラバラなら必ず問題がある、といった意味ではありません
確かめていないこと
- 修復歴の有無が価格にいくら影響するか。車種と部位で変わるため、金額は書いていません
- 個々の販売店の表示が基準どおりかどうか。表示に疑問があれば自動車公正取引協議会にご相談ください
- 輸入車の査定基準。この記事は国産乗用車の基準を見ています
よくある質問
修復歴ありとは、どういう車のことですか?
日本自動車査定協会の修復歴判断基準では「下記の骨格部位に損傷があるもの又は修復されているものは修復歴とする」と定められています。骨格部位はクロスメンバー、サイドメンバー、インサイドパネル・ダッシュパネル、ピラー、ルーフ、センターフロアパネル・フロアサイドメンバー、リヤフロアの7つです。この基準は自動車公正取引協議会、日本自動車査定協会、日本オートオークション協議会の3団体で同一とされています。
小さなキズでも修復歴になりますか?
なりません。同じ基準に「但し、小さな損傷は修復歴としない」とあり、小さな損傷の大きさは「カードサイズ(8.5cm×5.4cm)未満」と定められています。2019年4月1日にこの基準へ変わりました。それ以前は「500円玉程度」でした。
バンパーを交換した車は修復歴ありですか?
バンパーだけなら該当しません。判断基準には「骨格は溶接接合されている部位(部分)のみとし、ネジ止め部位(部分)は骨格としない」とあります。ネジで留まっている部品の交換は、この基準の骨格には当たりません。ただし、その奥の骨格まで傷んでいた場合は別の話になります。
車両状態評価書があれば安心ですか?
参考にはなりますが、完璧ではありません。自動車公正取引協議会の監修基準では、評価を行う人の検定合格基準を「修復歴の見落としがなく、かつ、内装及び外装の瑕疵発見正解率が80%以上」としています。修復歴は見落とさない前提ですが、内装外装のキズやヘコミは、専門の検定でも2割まで見落としが許容されている数字です。
走行距離はどうやって確かめられていますか?
自動車公正取引協議会の監修基準では「自動車検査証、点検整備記録簿等の帳票類、走行メーター管理システム等による確認並びに車両状態のチェック等を実施した上で」表示することとされています。車検証には走行距離計表示値と旧走行距離計表示値が記載されるので、前回の車検からどれだけ走ったかも読み取れます。
この記事の金額・条件は2026年9月3日に公式サイトで確認したものです。制度の改定や各社の都合で変わります。お申し込みやお手続きの前に、公式サイトや契約書で最新の内容を必ずご確認ください。



