車を土足禁止にする前に|脱いだ靴の置き場と、サンダル運転の反則金6,000円【2026年9月】

この記事の要点
- 土足禁止そのものより、脱いだ靴の置き場のほうが心配です。国土交通省は、足元の固定されていない物がアクセルペダルに引っかかる不具合に注意を出しています(対象はフロアマット)
- サンダルやスリッパでの運転は、反則金の対象になることがあります。東京都の規則の場合で、公安委員会遵守事項違反なら普通車6,000円。規則の書き方は都道府県ごとに違います
- かかとが固定される靴を1足積んで、乗るときに履き替える。これなら土足禁止のままでも、足元は安全です
結論:問題は「靴を脱ぐこと」より、脱いだ靴の置き場です
土足禁止そのものは自由です。気をつけるのは、脱いだ靴をどこに置くかと、脱いだあとに何を履くかの2つだけです。
内装をきれいに保ちたいだけなんですけど、だめですか?
土足禁止をやめる必要はありません。まず、脱いだ靴を置いている場所から見てみましょう。
1. 足元で動く物は、ペダルの邪魔になりえます
国土交通省がフロアマットについて出している注意は、そのまま「足元で固定されていない物」の話です。
フロアマットを固定せずに重ね敷きするなど、不適切にフロアマットを使用すると、アクセルペダルがフロアマットに引っかかり車の急加速に繋がる不具合が発生することがあります。
同じ資料には、踏み直したときのことも書かれています。
フロアマットとアクセルペダルが干渉して加速した場合にブレーキ操作を繰り返し行うと、ブレーキ倍力装置の機能が大幅に低下するため、ブレーキ操作に大きな踏力(強く踏む力)が必要になりますので注意しましょう
この注意の対象国土交通省がここで書いているのはフロアマットについてです。靴トレーを対象にした国の注意は、探した範囲では見つけられませんでした。靴トレーで事故が多いことが確かめられている、という意味ではありません。
同じ形の心配は残ります。足元で固定されていない物が、ペダルの動きを妨げるという点は変わらないためです。
整備で車を預かるとき、足元にトレーがあると正直こわいです。動かすときは、一度どけてから乗るようにしています。
数字ではなく、日々作業している立場からの印象です。
足元の話は車のフロアマット、重ねて敷いていませんか?にまとめました。マットとトレーが両方ある場合は、そちらも見てください。
2. サンダルやスリッパは、反則金の対象になることがあります
品名で決まっているわけではありません。「運転操作に支障を及ぼすおそれ」があるかどうかで判断されます。
木製サンダル、げた等運転操作に支障を及ぼすおそれのあるはき物をはいて車両等(軽車両を除く。)を運転しないこと。
読むところは「等」と「おそれのある」です。品名がすべて並べてあるわけではありません。
地域の条件ここで引いたのは東京都の規則です。書き方は都道府県ごとに違います。お住まいの地域の規則をご確認ください。
| 履物 | 東京都の規則にあてはめると |
|---|---|
| 木製サンダル・げた | ❌ 規則が名前を挙げています |
| かかとが固定されないサンダル・スリッパ | ⚠️ 「運転操作に支障を及ぼすおそれ」に当たるかで判断されます |
| 裸足・靴下 | ❓ 「はき物」の話なので、この条文には当てはまりません。別の条文で問われる可能性は残ります |
| ひもを締めた運動靴・革靴 | ✅ 問題になりにくい履物です |
いくら払うことになるか
履物そのものは公安委員会遵守事項違反として扱われ、警視庁の一覧表では普通車6,000円です。
| 違反の名前 | 普通車の反則金 | 基礎点数 |
|---|---|---|
| 公安委員会遵守事項違反 | 6,000円 | 点数一覧表に記載なし |
| 安全運転義務違反 | 9,000円 | 2点 |
その履物のせいで運転が危うくなっていれば、安全運転義務のほうで問われることも考えられます。
「クロックスはどうですか」とよく聞かれます。規則に品名は書かれていないので、こちらの見立てになりますが、かかとを固定できているかどうかは見られると思っています。脱げそうな履き方なら、同じことです。
条文にある言葉は「運転操作に支障を及ぼすおそれ」までです。かかとの話は、そこからの読み方です。
補足:売るときのことと、人を乗せるとき
ここから先は安全の話ではありません。土足禁止を続けるかどうかを決めるときの、材料としてお読みください。
売るときに効くのは、フロアの砂ではありません
フロアの砂や泥汚れは、掃除で落ちます。だから、そこで大きく差がつくとは考えにくいところです。
金額に響きやすいのは、フロアより次のようなところでした。シートの破れ・焦げ跡・大きなシミ、タバコやペットのにおい、天井のたれ、内装パネルの割れ。いずれも掃除では戻しにくいものです。
数字ではなく、現場で見てきた印象です。
金額の条件査定の基準は業者ごとに違います。いくら変わるかは、ここではお伝えできません。
売るときの手順は車を売る前に確かめる3つと、売ったあとに必ずやることにまとめました。
人を乗せるときのこと
ブーツやヒールは、脱ぐのも履くのも手間がかかります。靴下を見られたくない人もいます。
自分の車をどうするかは自由です。ただ、人を乗せる機会が多いなら、そこも一度考えてみてもいいかもしれません。
今日できること
① 運転席と助手席の足元に、固定されていない物がないか見る
靴トレー、脱いだ靴、荷物。ペダルを踏み込んだときに当たる位置なら、後ろの席か荷室へ移してください。同乗者の足元に転がった物が、カーブで運転席側へ移ってくることもあります。
② かかとが固定される靴を1足、車に積んでおく
乗るときに履き替えるなら、土足禁止のままでも足元は安全です。
③ お住まいの都道府県の規則を見る
「○○県 道路交通法施行細則」または「○○都 道路交通規則」で探すと出てきます。書き方は地域ごとに違います。
この記事の情報について
公開情報から引いた部分
- 履物についての条文(第8条第2号):東京都道路交通規則
- 反則金の額(公安委員会遵守事項違反 6,000円/安全運転義務違反 9,000円):警視庁「反則行為の種別及び反則金一覧表」
- 安全運転義務違反の基礎点数2点:警視庁「交通違反の点数一覧表」
- アクセルペダルへの干渉とブレーキ倍力装置の記述:国土交通省「適切にフロアマットをしっかり固定して使用してください」
整備士としての見立て(記事の中では「整備の現場から」と付けてあります)
- 足元にトレーがあると、整備で預かるときに気をつかうこと
- かかとが固定されるかどうかが見られる、という読み方。条文にある言葉は「運転操作に支障を及ぼすおそれ」までです
- 査定でフロアより響きやすい場所。数字ではなく、現場で見てきた印象です
確かめていないこと
- 靴トレーが原因で起きた事故の件数。国の統計を探しましたが、見つけられませんでした
- 東京都以外の都道府県の規則の書き方。地域ごとに違います
- 裸足での運転が実際にどう扱われるか。条文の読み方の話までで、判例までは確かめていません
- 査定でいくら変わるか。基準は業者ごとに違います
よくある質問
裸足や靴下で運転するのはどうですか?
東京都道路交通規則の第8条第2号は「はき物」について書かれているため、裸足がそのまま当てはまるとは読めません。ただし別の条文である安全運転義務のほうで問われる可能性は残ります。急ブレーキで足が滑る、事故のあとに割れたガラスの上を歩くことになるといった心配もあります。実際にどう扱われるかは、条文の読み方までの話で、判例までは確かめていません。
同乗者の履物も、規則の対象になりますか?
東京都道路交通規則の第8条第2号は「はき物をはいて車両等を運転しないこと」と書かれているため、対象は運転する人です。同乗者の履物そのものが、この条文で問われるとは読めません。ただし脱いだ靴や荷物が足元に転がっていると、カーブで運転席側へ移ってくることがあります。物の置き場のほうは、同乗者の足元も同じように気をつけてください。
靴トレーが原因の事故は、実際に起きているのですか?
件数を示す国の統計を探しましたが、見つけられませんでした。国土交通省が注意を出しているのはフロアマットについてで、靴トレーそのものを対象にした国の注意も、探した範囲では見つかりませんでした。ここで書いているのは「足元で固定されていない物がペダルの動きを妨げる」という同じ形の心配であって、靴トレーで事故が多いことが確かめられている、という意味ではありません。
この記事の内容は2026年9月1日に公式の情報で確認したものです。制度や各社の案内は変わることがあります。また、車種や状況によって扱いが異なる場合があります。判断される前に、公式の案内やお車の取扱説明書で最新の内容をご確認ください。



